【音静庵】
 
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2004年11月30日を表示

心の問題と金儲け

定住外国人参政権について、鋭い論文を書かれた「尾山太郎」氏の最新論文です。
是非とも、お読み下さい。
心貧しい経済人が、この日本経済界の重鎮にいるかと思うと、情けないです。


静岡新聞 平成16年11月29日 論壇 屋山太郎
靖国問題、変わる歴史認識
 参拝に否定的な財界首脳
 小泉純一郎首相を囲むいくつかの財界人の会がある。ある会の座長は奥田硯トヨタ自動車会長で七、八人で定期的に会食していたが、このところ、声をかけても総理の方からさっぱり返事がない。しびれを切らして催促に行った使者に対して小泉首相はこういったという。

 「あの会に出ると『総理、靖国参拝だけはやめて下さい。あれさえなければ新幹線でも何でも受注でき日本は大儲けできるんですから』という人物が二人いる。心の問題と金儲けを同じ次元で考えるような人物に会いたくない」

 この二人というのは奥田氏と小林陽太郎富士ゼロックス会長だという。この話を聞いた翌日、経済同友会代表幹事の北城恪太郎氏が記者会見で同様趣旨の発言をした。あらためて財界首脳にきくと経済界の七、八割は「皆、そう思っている」という。その精神の貧困さには驚愕した。

 中曽根康弘元首相は中国との友好と靖国参拝のはざまで迷ったあげく、参拝をとりやめ中国との友好を選んだ。いまもA級戦犯の分祀といった解決策はないものかと妥協策を模索しているようである。
 しかしこのような発想は「日本人の性根を腐らせる」(安倍晋三自民党幹事長代理)ことも事実である。かつて日本はアジアの小国の首相から「エコノミック・アニマル」と馬鹿にされ、国民一同、恥ずかしい思いをしたことがある。考えてみると恥ずかしいと思っただけ、当時の方がよほどましだったのではないか。

 靖国問題について安倍氏は「外国(コキントウ国家主席)から『行くな』と言われる筋合いのものではない。首相が参拝を続けるのは一国のリーダーの責務だ」「意に沿わない行動をとっているから公式訪問しないというのはおかしい」「会わないといって屈服させるのは、まさに覇権主義ではないか」(十一月二十四日読売)と語っている。

 安倍氏が幹事長を辞する時、小泉首相に「外務大臣には町村信孝氏が適任です」と強く推したという。首相は改造人事のさい町村氏に安倍氏の推薦があったことを伝え「安倍氏と密接な連絡をとり、党と内閣一体となって外交に当たるように」と述べた。


 政治家に流れただす動き
 町村氏は同日夜、安倍邸に駆けつけて「本音と建前を分ける政治を精算しよう」と固く約束し合ったという。最初の閣議後の記者会見で靖国問題をきかれた町村氏は「中国人の死生観と日本人の死生観は違いますからね」と答えている。昔なら中国や韓国から「妄言」と非難されてクビが飛びかねない発言だ。

 中山成彬文科相もタウンミーティングで、歴史教科書について「自虐的で、従軍慰安婦とか強制連行とかいった言葉が減ってきたのは本当に良かった」と述べた。これなども、自、社時代なら大臣辞職ものだったはずだ。しかし戦時中「従軍慰安婦」とか「強制連行」などという言葉は存在しなかったことは確かなのだ。相手のいいなりに頭を下げてきた結果、日本人の歴史認識は途方もない自虐的なものとなった。

 ゆゆしき問題だと嘆いてきたが、ここにきて”新世代”の政治家が間違った流れをただそうと立ち上がってきたように見える。こういう動きは民主党内にも顕著で、中国や韓国、北朝鮮に迎合する旧社会党系の勢力はほとんど力を失いつつある。中国は小泉首相が靖国に参ろうが参るまいが、日本の投資を断るわけがない。投資を必要とするのは中国の側なのである。(政治評論家)



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