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除去違反、米で1000件超 BSE危険部位(08/16 15:00)牛肉輸入再開で議論必至
【ワシントン=気仙英郎】米農務省食品安全検査局は十五日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)対策として打ち出した特定危険部位(SRM)の除去規制に関して、食肉業者らの違反が二〇〇四年一月から今年五月までに千三十六件あったとの調査結果を公表した。SRMの除去手続きをめぐる違反の実態が公表されたのはこれが初めて。
同省は今回の公表について、「違反摘発を十分に行っていることを示したもので、食の安全は十分守られている」と強調しているが、日本の食品安全委員会の輸入再開論議にも影響を与えそうだ。
米政府は、BSE感染牛が発見された直後の〇四年一月から生後三十カ月以上の牛について、SRMの除去を義務付けている。
今回の食肉業者の違反については、昨年十二月に同省の食品検査官労組が、「食肉処理場でSRM除去規制が十分順守されていない」と同省に告発した経緯がある。
しかし、同省は「証拠がない」と実態の公表を拒んでいた。これに対して、消費者団体が情報公開法にもとづいて、検査実態を公表するよう要求。今回の農務省の調査結果の公表につながった。
消費者団体は「食肉加工業者が若い牛と加齢牛を区別していない実態を示しており、米国の食の安全が脅かされている」と批判を強めている。
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米のBSE危険部位除去、違反1036件 米農務省確認 米農務省は15日、牛海綿状脳症(BSE)対策である特定危険部位の除去手続きをめぐり、04年1月から05年5月までに1036件の違反があったことを明らかにした。米メディアが報じた。同省は、違反がわかった場合には是正措置を取らせたとして「危険部位は消費者に届いていない」と説明しているが、米国産牛肉の日本への輸入再開論議にも影響を与えそうだ。
違反事例の中には、牛の年齢を区別しないで処理したり、除去に使った道具や装置の洗浄が不十分だったりする例があったという。
米国では03年12月に初のBSE感染牛が確認された後、牛肉加工業者に対し、原因物質がたまる脊髄(せきずい)や脳といった危険部位を生後30カ月以上の牛から除去する手続きなど新たな規制を導入した。