北朝鮮批判で安倍幹事長代理が訴えられる日 人権擁護法案、原案のいかがわしさ 「北朝鮮を批判することで在日朝鮮人に精神的ダメージを与え、人権を侵害した-」。対北外交の強硬派として知られる自民党の安倍晋三幹事長代理が、朝鮮総連関係者からこう“裁かれる”日が来るかもしれない。そう、政府が今国会提出を目指している人権擁護法案が、原案通り可決された場合の話だ。自民党内でも賛成、反対両派が激しいバトルを展開しているが、その恐るべき実態とは-。
【人権侵害って?】
「不法就労の外国人がマンション入居を申し入れ、それを理由に拒否すれば人権侵害となる恐れがあり、レディースマンションが“オカマ”の入居を拒否したり、レストランが犬の連れ込みを禁止したりした場合も、訴えられる可能性がある」
法曹関係者は法案が成立すればこんな事態が起こると解説する。
法案は人権侵害を「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と規定しているが、その運用規定などがはっきりしておらず、恣意(しい)的な運用が可能なのだ。
また「不当な差別的取り扱いの助長、または誘発」も禁じているが、マスコミや安倍氏らが北朝鮮を批判し、右翼がそれに便乗して朝鮮総連に嫌がらせをすれば「助長」「誘発」に該当してしまう恐れもある。これでは自由な言論活動もできなくなる。
【人権擁護委員】
さらに、大きな問題なのが、法律に基づいて活動を行う人権擁護委員が、弁護士会や人権団体の構成員だけから市町村の推薦によって選ばれる点だ。
慎重派である城内実衆院議員(39)=自民党=は、この法案の危険性についてこう話す。
「例えば、性器を露出した等身大の女性の人形を使って性教育を行った東京都の養護学校の教員が、平成15年に都教委から厳重注意処分を受けたんです。しかし、東京弁護士会は今年1月、都教委に対して『教育の自由などを侵す人権侵害だ』と警告。また、養護学校が都教委に提出した人形など教材の返還なども求めたんです。こうした事例はいくつもあるわけです」 さらに、法案に詳しいジャーナリストは「人権擁護委員には国籍条項がないため、朝鮮総連から在日朝鮮人を選ぶこともできる。朝鮮総連は拉致への関与が疑われる団体だが、その構成員が人権擁護委員に選ばれるのは、まさにブラックジョークではないでしょうか」と呆れるのだ。
この法案の旗振り役はあの野中広務元幹事長だったが、今は子分である古賀誠元幹事長らが推し進めており、つい先日、今国会への提出を確認したばかり。人権を守ることはとても大切だけど、なんかちょっとヘンじゃないですか?
【人権擁護法案】 法務省の外局として人権委員会(仮称)を設置、差別や虐待をはじめとする人権侵害に対して相談や調停、勧告、公表などの救済措置を講じる法案。人権委は全国の2万人に人権擁護委員を委嘱、関係者への事情聴取や関係先への立ち入り検査など「特別調査権」も付与される。立ち入り検査には裁判所の令状は不要で、「警察より強権」との指摘もある。
ZAKZAK 2005/04/04