性犯罪者の出所情報把握へ 警察庁方針
http://www.sankei.co.jp/news/050106/sha111.htm 警察庁の漆間巌長官は6日の記者会見で、奈良市の女児誘拐殺人事件に関連して性犯罪者の再犯防止策について「前歴者が服役後どこにいるか、警察署単位で把握できるシステムが必要だ」と述べ、法務省に情報提供などの協力を求める方針を明らかにした。
加害者の出所予定時期や出所後の居住地などを必要に応じて被害者に事前に通知する制度は、2001年10月から始まっているが、現状では警察が同様の情報を得ることはできないという。
会見で漆間長官は、米国や韓国で実施されている性犯罪者の氏名や居住地を住民に公表する制度については「地域住民に情報提供するところまで進めるかどうか議論のあるところだ。法制化も含め慎重に検討していきたい」と述べるにとどまった。
しかし、6日の国家公安委員会では、複数の委員から「性犯罪の前歴者の情報を住民にも公開すべきだ」との意見が出されたという。
また漆間長官は、性犯罪で服役している受刑者の矯正プログラムをつくり、義務的に受けさせるシステムの必要性を強調。法務省に働き掛けていく意向を示した。(共同)
(01/06 22:10)
性犯罪前歴者の居住地、警察が把握できる制度新設へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050106i113.htm 警察庁は6日、性犯罪者による再犯を防ぐため、性犯罪の前歴者の居住地を全国の警察が把握できる制度を新設する方針を明らかにした。
奈良市の小1女児誘拐殺害事件で、女児への強制わいせつの前歴がある容疑者が逮捕されるなど、悪質な再犯が相次いでいることを受けた措置。近く法務省などと協議に入る。
同庁の漆間巌長官が同日の会見で公表した。漆間長官は、この日の国家公安委員会で、複数の委員から「性犯罪の前歴者の情報を地域住民にも提供すべきだ」との指摘を受けたことも明らかにした上で、「住民への情報提供は人権上の問題があるため慎重に考える必要があるが、警察として、前歴者がどこにいるのか把握できる仕組みは早急に構築したい」と語った。
同庁によると、この制度の対象として検討しているのは、強姦や強制わいせつといった性犯罪で実刑判決を受けて服役後に出所した者や執行猶予中の者。
2001年10月から始まった「出所情報通知制度」では、犯罪被害者が加害者の出所後の居住地域などを知ることが可能になったが、あくまで被害者への報復を防止することが目的で、警察が、性犯罪の前歴者の動向を正確に把握する制度は整備されていなかった。
同庁は同時に、性犯罪で服役している受刑者に対し、他の刑法犯とは別に、専門の矯正プログラムを準備するよう法務省に働きかけたい、としている。